木管楽器は、トーンホールをタンポがふさぐ構造です。きちんと閉じない状態、連動が狂っている、開き具合が異常な状態は、音の響き、音程に大きな影響を与えるだけでなく、正しい奏法が身につかない、奏者の体調をくずす原因ともなります。  
こんな症状ありません? 
1:最近音の出が悪い。
2:キーがずれていることがある。
3:○○を感じる。 
上記に当てはまる方は、ぜひご相談ください。

◇これまでの事例◇

テナーサックスのサイドキィ

右手の手のひらで操作する、サイドキィ。High Eキィと三つ縦に並んでいます。
一直線に並んでいる状態が正常ですが、外部からの力により曲がることがよく見られます。
高さ、縦位置がずれると、操作しにくくなりますね・・・

サックスのタンポ交換③

ネック上部にある、オクターブキィのタンポ交換です。
劣化の進行もさることながら、穴が開いてしまい、トーンホールにあたっても息が漏れる状態になっています。
息が最初にあたるタンポなので、ここがうまく調整できていないと、音が出なくなります・・・

サックスのタンポ交換②

こちらはGキィ(左手薬指で操作するキィ)のタンポです。硬化が進行していて、調整不能な状態です。
Gキィは、オクターブキィとの連動や、長めのアームなので、別途掲載の「B♭」キィとは、違った視点での調整が必要です。
ちょっとした狂いでも、音が出にくくなるなど、デリケートな一面を持っています。

サックスのタンポ交換

経年により、タンポが劣化(主に硬化)してしまい、調整不能になったタンポを新しいものに交換いたしました。写真は「B♭キィ」(左手中指、人差し指で操作するキィ)です。
タンポ調整は、タンポの柔軟性を利用してタンポ皿の角度を調整して行いますが、固くなって縮んでしまったタンポは調整不能です・・・

B♭クラリネット、キィ修正

低音部のキィ(LowF/C)の曲がりの修理です。
服の袖に引っ掛けたり、クロス、スワブに引っ掛けてしまい曲がることがあります。
演奏できる状態にするため
①キィをもとの位置に修復する
②タンポがトーンホールをふさぐように調整する
③タンポのオープニング量を調整する(音程、音抜けに影響します)
④連動するキイとバランスを調整する
を主眼に進めます。

B♭クラリネットのタンポ調整

長年使用されずにいたB♭クラリネットの整備をご用命いただきました。C#/G#キィのタンポオープニングがかなり大きいです。
これでは音程・音抜けに大きな影響を及ぼします。
原因はキィの曲がり(開く方向に力が加わり、オープニング量が大きくなった)です。
ほかにも「オープニングコルクのやせ」「タンポのやせ」が原因として挙げられます。
今回は、「やせ」現象より「キィの曲がり」が大きな原因と思われますので、キィの修復を主眼に調整いたしました。

名器の整備を・・・

先日フェイスブックで「ネットオークションで購入した楽器の整備」について掲載しましたが、早速、整備をご用命いただきました。
ヤナギサワテナーサックスT991。なかなかお安く手に入れたようです。
点検、見積もりと進めていきました。
写真を見ての購入なので、かなり怖い取引ですが、部品の欠品(キィ、レバー等)がなく、タンポをすべて取り替えても予算の範囲に収まると、思い切って落札したそうです。
お持ち込みいただき、点検しましたが、大きな問題となる個所はなく、軽度の調整で即戦力になりそうです。
現代の名器とも称される「ヤナギサワT991」現在はモデルチェンジされて、名器の称号はWOシリーズに引き継がれています。
タンポ交換の必要はなく、予算をかなり下回る見積もりだったので、分解清掃・調整のコースで承りました!

名器(ヤナギサワT991)続き!

【続き】・・・
清掃は主に
①つばの痕の除去
②古いオイルの除去
③ほこりの除去
④タンポ表面の清掃
を中心に進めます。
また、パッドオープニングをご要望の広さに調整します(今回はメーカー指定値)
連動のバランス調整、バネ圧の調整を行い、その機種本来の「鳴り・バランス」を取り戻すようにします。
今回の個体は、よく整備されていたようで、芯金内部もオイルが行き渡っていて、タンポも部分的に交換されていましたので、「アタリ」の個体といえるでしょう。整備金額もお安く済みました。
ネットオークションはリスクが大きいので、お勧めはしませんが、ポイントを押さえれば、良いものに巡り合えるでしょう。
(これはネット取引を推奨するものではありません。リスクは当事者で処理してくださいね)
今回はネット購入した中古品の整備の事例でしたが、使わずに眠っている楽器を再生したい等のご要望がありましたら、是非お見積りのご依頼をください。

アルトサックスの全タンポ交換

社会人プレーヤーのご要望により、すべてのタンポを交換いたしました。
購入以来、調整をされていなかったそうで、「すっきりとすべてのタンポを交換してほしい」とのご依頼でした。
すべてのキィ、レバーを取り外し、タンポ皿から古いタンポをはずし、新しいタンポに交換します。
接着は「熱可塑性」(温度を高くすると溶ける性質)の接着剤「ラック剤」を使用します。
管体の清掃(ツバの汚れ、オイル、ほこりの取り除き)を行い、新しいタンポを接着したキィを取り付けていきます。
①タンポがきちんとトーンホールをふさぐように調整する
②オープニング量を調整する(音ヌケ、音程に影響します)
③連動部分のねじ、コルクを調整します(やせたり、劣化して連動量が不足するコルクは新しいものに交換します。コルクの付け足しは行いません) 
今回は、キィガードの形状修正、ネックのおさまり具合も調整しました。
お返しする際に試奏して頂きましたが「吹きやすく、良く響くようになった」と喜んでいただきました。
 ご予算、お時間に応じて、部分交換(致命的に傷んだタンポのみ)簡易清掃での調整、ご希望部分のみの調整・修理も承りますので、お申し付けください。
見積もりは項目ごとに提示いたします。ご予算の許す範囲、ご希望の項目でお申し付けください。 
また正規部品での交換を前提といたしますが、ご要望があれば社外製品での交換も承ります。(事例:ヤマハにセルマー用タンポ、プラスチックレゾネーター仕様の機種にメタルレゾネータータンポの取付)
そのほか、タンポのオープニング量の指定も承ります。

クラリネットの修理

黄ばんで劣化、破れの発生したタンポを交換しました。
キィ、レバーをすべて取り外し、清掃(ほこり、オイルかす、さび等の取り除き)を施し、新しいタンポを接着しました。
接着するだけでは、演奏できる状態にはなりません。タンポがきちんとトーンホールをふさぎ、連動部分もしっかりバランスが取れた状態にしなければいけません。

クラリネットの修理