木管楽器は、トーンホールをタンポがふさぐ構造です。きちんと閉じない状態、連動が狂っている、開き具合が異常な状態は、音の響き、音程に大きな影響を与えるだけでなく、正しい奏法が身につかない、奏者の体調をくずす原因ともなります。
こんな症状ありません?
1:最近音の出が悪い。
2:キーがずれていることがある。
3:○○を感じる。
上記に当てはまる方は、ぜひご相談ください。
◇これまでの事例◇
テナーサックスのサイドキィ
右手の手のひらで操作する、サイドキィ。High Eキィと三つ縦に並んでいます。
一直線に並んでいる状態が正常ですが、外部からの力により曲がることがよく見られます。
高さ、縦位置がずれると、操作しにくくなりますね・・・
名器の整備を・・・
先日フェイスブックで「ネットオークションで購入した楽器の整備」について掲載しましたが、早速、整備をご用命いただきました。
ヤナギサワテナーサックスT991。なかなかお安く手に入れたようです。
点検、見積もりと進めていきました。
写真を見ての購入なので、かなり怖い取引ですが、部品の欠品(キィ、レバー等)がなく、タンポをすべて取り替えても予算の範囲に収まると、思い切って落札したそうです。
お持ち込みいただき、点検しましたが、大きな問題となる個所はなく、軽度の調整で即戦力になりそうです。
現代の名器とも称される「ヤナギサワT991」現在はモデルチェンジされて、名器の称号はWOシリーズに引き継がれています。
タンポ交換の必要はなく、予算をかなり下回る見積もりだったので、分解清掃・調整のコースで承りました!
名器(ヤナギサワT991)続き!
【続き】・・・
清掃は主に
①つばの痕の除去
②古いオイルの除去
③ほこりの除去
④タンポ表面の清掃
を中心に進めます。
また、パッドオープニングをご要望の広さに調整します(今回はメーカー指定値)
連動のバランス調整、バネ圧の調整を行い、その機種本来の「鳴り・バランス」を取り戻すようにします。
今回の個体は、よく整備されていたようで、芯金内部もオイルが行き渡っていて、タンポも部分的に交換されていましたので、「アタリ」の個体といえるでしょう。整備金額もお安く済みました。
ネットオークションはリスクが大きいので、お勧めはしませんが、ポイントを押さえれば、良いものに巡り合えるでしょう。
(これはネット取引を推奨するものではありません。リスクは当事者で処理してくださいね)
今回はネット購入した中古品の整備の事例でしたが、使わずに眠っている楽器を再生したい等のご要望がありましたら、是非お見積りのご依頼をください。
アルトサックスの全タンポ交換
社会人プレーヤーのご要望により、すべてのタンポを交換いたしました。
購入以来、調整をされていなかったそうで、「すっきりとすべてのタンポを交換してほしい」とのご依頼でした。
すべてのキィ、レバーを取り外し、タンポ皿から古いタンポをはずし、新しいタンポに交換します。
接着は「熱可塑性」(温度を高くすると溶ける性質)の接着剤「ラック剤」を使用します。
管体の清掃(ツバの汚れ、オイル、ほこりの取り除き)を行い、新しいタンポを接着したキィを取り付けていきます。
①タンポがきちんとトーンホールをふさぐように調整する
②オープニング量を調整する(音ヌケ、音程に影響します)
③連動部分のねじ、コルクを調整します(やせたり、劣化して連動量が不足するコルクは新しいものに交換します。コルクの付け足しは行いません)
今回は、キィガードの形状修正、ネックのおさまり具合も調整しました。
お返しする際に試奏して頂きましたが「吹きやすく、良く響くようになった」と喜んでいただきました。
ご予算、お時間に応じて、部分交換(致命的に傷んだタンポのみ)簡易清掃での調整、ご希望部分のみの調整・修理も承りますので、お申し付けください。
見積もりは項目ごとに提示いたします。ご予算の許す範囲、ご希望の項目でお申し付けください。
また正規部品での交換を前提といたしますが、ご要望があれば社外製品での交換も承ります。(事例:ヤマハにセルマー用タンポ、プラスチックレゾネーター仕様の機種にメタルレゾネータータンポの取付)
そのほか、タンポのオープニング量の指定も承ります。