木管楽器修理のその他について紹介いたします。
金属製木管楽器(SAX、フルート等)の凹み修理は金管楽器に準じますが、木製楽器の場合は「ワレ」「カケ」等が発生し、ジョイントできなくなる等の不具合が起こります。

◇これまでの事例◇

アルトサックスネック修理②

容量の関係から②へ続きます。
凹み修理出来て、部品の再接着へと進みます。
ピンクゴールドにメッキをして、タンポ、コルクを新しくしました。
新しいサウンドの創造にお役に立てたようです。

アルトサックスネック修理

外部からの衝撃(落下、衝突)により凹み(変形に近い)が生じていました・・・
形状(テーパー、曲線)が思いのほか複雑で、修理の難易度が高いです・・・

サックスのネック留めネジ

ネックを固定するための小さなネジです。ついつい強く締めて、折ってしまうことがよく見られます。
ネックが固定できないので、演奏しにくくなります。

サックスのサイドF#キィのガード

サックスのサイドF#キィ(楽器裏側のキィ)のキィガードは、接着面が小さく、外れやすい形状になっています。
放置しておくと、キィガードそのものが取れてしまったり、キィのゆがみを誘発してしまい、演奏不能状態になる可能性があります。故障の程度が大きくなると、修理期間が長くなる、修理代が高くなる、ゆがみ修正の痕が大きくなる等良いことはありません・・・
症状が軽いうちに修理することをお勧めいたします。

ネック芯金ねじが・・・

軽い調整だろうとタカをくくっていたら・・・
ねじが折れていました。オクターブキィは、2センチほどの「芯金ねじ」でネックに留まっていますが、ネジ部分と棒部分に分かれて、折れていました・・・
取り出すのが大変です・・・(技術ランクも上がってしまいます)
ネジ部分の固着により、芯金ねじが折れたと思われます。折れたねじの固着外しは、かなり厳しい作業です・・・
ネック側の雌ねじを傷つけることなく外せてひと安心です。

アルトサックスのLowC#キィ

クローズドキィ(指を離すと閉じるキィ)は、閉じている時間が長い(保管中含めて)ので、タンポがトーンホールに引っ付きやすくなります。
かなり長い間眠っていたアルトサックス。分解整備をお申し付けいただきましたが、固着が多く、分解に手間取ります・・・低音部のキィ(LowC#キィ)タンポの固着、芯金ねじの固着と難題が多いです・・・
幸いにして大工事をすることなく、基本的な固着外し作業で取り外すことができました。

B♭クラリネット 針ばね交換

B♭クラリネット、C#/G#キィ(上管の一番下のキィ)のばねが折れました。
キイが復原しなくなり、演奏不能の状態です。
キィポストから「折れた針ばね」を取り出すのが難作業です・・・

アルトサックスマウスピース、ティースクッションの修復

サクソフォンのマウスピースはご使用に伴い、摩耗・劣化していきます。
特に「歯」の当たる部分の摩耗が大きな要素でもあります。エボナイト製のマウスピースは交換の目安にしている方もいらっしゃいますが、ティースクッション内蔵の「メタルマウスピース」はなかなか交換に踏み切れないものです。
それがお気に入りだとなおさらですね。

B♭クラリネットの管体「ワレ」修理

木製管楽器(クラリネット、オーボエ等)は「グラナディラ」という材料で制作されています。
そのため、「木」特有の事故が発生します。事例はB♭クラリネットの管体にヒビが入り、トーンホールまで達した中程度の故障の修理です。

ピッコロの修理

「吹きにくいので調整してほしい」とのご依頼で、中学校の備品をお預かりしました。
他店での応急処置の繰り返しで、タンポが他社製のものになった部分があります。応急処置がそのままになったと推察されます。
吹きにくい原因は別の個所にありました。キィポスト(鍵柱)の取り付け部分がゆるくなり、キィ・レバーが不必要な動きをしてしまい、タンポがうまくトンホールをふさがない状態になっていました。
これでは、どれだけタンポ調整をしても演奏できる状態にはなりません。
キィポストを固定するために、キィポストを留めるねじ穴を補強し、改めてタンポの調整を行いました。
 小さい楽器だけに少しの狂いでも、演奏不能になってしまいます。
ご予算の関係から、他製品のタンポは交換せずにお返ししましたが、痛々しいピッコロでした。

アルトサックス一番管凹み修理・・・

サックスの下のU字状の管を「一番管」といいます。不注意からぶつけやすい場所です。
このサックスも指先大の凹みが発生してしまいました。
キィ、レバー等ネジ止めされている部品をすべて取り外し、凹み修復に取り掛かります。
部品を外すのは、凹み修理中にかかる力によってゆがんだり、曲がったりして狂いが生じないようにするためです。
凹みの場所、程度から判断して、二番管(円錐形の部分)を外さずに作業できました。