ウォーターキィのバネ、コルク交換など。

ウォーターキィのバネ、コルク交換

◇これまでの事例◇

ショートコルネットのマウスパイプ

扱いが雑だと、簡単にぶつけてしまいます・・・特にマウスパイプは、マウスピースがおもりになるのと、ぶつけやすい箇所なので、簡単に曲がってしまいます・・・
凹みが多く、マウスパイプの機能に疑問符が付きますが、ご予算の関係から、経常修復を施すことにしました。溶接、接合部分を外すことなく、修理いたしました。

ウォーターキィバネの交換

B♭トランペットのウォーターキイバネは、交換頻度が高い部品です。
Bach180のウオーターキィバネが「パキン!」と折れました。
二ケ所バネがかかっているので、かろうじて機能しますが、もう一方が折れるのは、時間の問題です。それに精神衛生上よくありません・・・微妙ですが、吹き心地にも影響があります。メーカーごとにバネの仕様が違いますので、難度も変わります。
ヤマハはよく考えられていて、交換がスムーズに行えますが、Bachは手ごわいですね・・・

ウォーターキィのバネ交換②

容量の関係から②へ続きます。
分解したついでにコルクも交換します。
汚れやすいところなので、清掃も行います。
新しいバネは長く作られていて、装着の際に力がかけやすいようにできています。 

ウォーターキィのバネ交換③

③へと続きます。
バネは長く作られていて、本体(主管抜差し菅(チューニングスライド))へ取り付けた際にカットすることになっていますが、後々のメンテナンス(特にコルク交換)の際に、支柱へのかかり具合が厳しいと、再装着が難しくなります・・・折れる前にバネを交換する、という考え方なら、コルク交換の都度バネも交換すれば良いですが、経済的にもなかなかそうはいかないものです。
また、汚れもたまりやすいところなので、クリーナーを使って掃除します。腐食も防げますし、見た目もきれいになりますね!

Cトランペット抜き差し菅の製作

OEK谷津謙一様より、Cトランペットのマウスパイプ交換のご依頼を頂きました。
チューニングスライドと本体をつなぐ管の内径を合わせる必要があるのと、適正な長さにする必要があるので、新しく管を製作いたしました。

Cトランペット抜き差し菅②

続きです!

Cトランペット抜き差し菅続きです!③

さらに続きます!

バルブガイド作成

古いフリューゲルホーン(ケノン)のバルブガイドを作成いたしました。
フリューゲルの代名詞のように語られる「ケノン」ですが、生産ははるか昔に終了し、部品の供給も途絶えています。
摩耗してしまい、バルブガイドの溝にかからなくなりました。ピストンがくるくる回って、演奏不能状態です。
同じ材質での製作も考えましたが、依頼主様に確認の上、「真鍮」で作成することにしました。

トランペット用ミュート修理

金管楽器用のミュートは音色の変化で表現力の幅を広げるものですが、その扱いは「乱雑」なものが多いです。
袋や箱にまとめて保管しているのをよく見かけます。本体に凹みができたり、コルクが取れたりと「トラブル」の原因になっていて、せっかくのミュートが使えない、音程に悪影響を与える等「宝の持ち腐れ」になっていることが多々あります。
形状の修正、コルクのリフレッシュを行い、「使える状態」に修復した事例です。

トロンボーンジョイント部の修理

トロンボーンはスライド部とベル部に分かれていて、そのジョイント部分は、構造上かなり重要な位置にあるといえます。
テーパー状のジョイント部をねじでさらに固定して、演奏中に動かないようにする機能になっています。
事例はベル側のリング状の部分がすり減って、ねじ部品の引っ掛かりがなくなり、固定できない状態になったものの修復です。

トロンボーンジョイント部の修理②

容量の関係から、「その2」で追加いたします。

バストロンボーンのスライドが・・・

古いヤマハのバストロンボーン。バンドの拡充に伴い、ケースから出してみると・・・
持ち手の接着が外れ、曲がりも発生しています・・・演奏不能の状態です。
修理前の写真が撮れなかったので、工程を少し・・・
持ち手とスライドをつなぐ部品が変形していて、確実に接着できない状態でした。
接合部分の部品を作成することにしました。

酔っぱらって・・・

気づいたらこんなことに・・・
なっていたそうです・・・
ヤマハの名器YTR632です。(リバースマウスパイプ、レッドブラスベル、Mボア)現行のYTR6310Zに通じる機種ですが、ベル材質がレッドブラスはこのモデルだけ。

酔っぱらってⅡ

ゆがんで、部品が外れて・・・リバースマウスパイプはこんな構造でした・・・(現行モデルとは違います)

なおったよ!!

ゆがみ、部品のはずれ・・・何とかなおりました・・・
このトランペット、私が大学に入学した時に「5年」の先輩が使ってました・・・
現役生には「代々の先輩の怨念がこもってるからね!!」と〇〇をさしておきました(ちゃんちゃん)
ヤマハのトランペットの「リバースマウスパイプ」の歴史というか、変遷が分かって、この個体に今のマウスパイプつけると、もっとよくなるかな??なんていらぬ考えを抱いてしましました・・・(こんなことしたら、わたしが怨念に・・・)

アルトホルン 2番抜き差し管の

ニブ(通称カニ目)が欠落して、抜き差しするのに不便な状態でした。
「外すのがめんどくさい」といって放置しておくと、固着してしまいます・・・

アルトホルンのニブ(つづき)

ニブと同じ径の真鍮棒を切り出し、形状を整えて、抜き差し管に接着(半田)します。

ロータリーチューバのマウスパイプ交換

ロータリーチューバーのマウスパイプ交換修理です。なんとメーカーのパーツ供給停止の古い楽器!
現行品を取り寄せましたが、取り付け部分の形状が違い、そのままでは取付不可能・・・
穴の空いたマウスパイプに応急的な処置が散見され、そのまま使用されていたと思っていましたが、メーカー対応終了していたので、応急的な処置にとどまっていたのでしょうね・・・
現行品は2ピース、修理依頼品は1ピースですが、傷んだ部分は初期製品も、現行品も同じ形状・寸法。接続部分を残し、穴だらけの部分を切り放します!現行品をパイプを介して取り付けることにしましたが、内径、形状を合わせないと、
1、楽器に取付できない
2、音程、イントネーションに影響を与えてしまう…
などの不具合が発生してしまいます・・・
形状の一致する部分を探し、パイプでつなぐこと(現行品と同じ仕様)にしました。
接続パイプは、付属のものでは寸法が違いすぎて使えないので、作成することにしました。黄銅板からパイプを作成し、うまく接合できました。
アンコン直前で一日の猶予もないので、練習終了時にお預かり、翌日の練習までにお返しというタイトな納期でしたが、無事お返しできました。
試奏している時の、笑顔に癒されました。ベストを尽くして、いい結果に結びつきますように。